精神的な緊張や不安によるストレスが引き金になる、過換気(過呼吸)症候群。10~20代の若い女性に多いとされていて、自分には関係のないことと暮らしてきたのですが、いつもの通勤電車で過呼吸になってしまいました。
とにかく電車と狭い場所がダメになり、病院に行こうかとも悩みました。しかし、「薬をもらっても、薬でカバーできる以上の恐怖を感じてしまった場合に効果は薄い」という書き込みを見たので、自力でなんとかならないものかと、調べました。
症状が軽かっただけかもしれませんし、今後も絶対発作が出ないかどうかはわかりませんが、とりあえず辛い電車を乗り越えられたので、1つの方法としてお伝えできればと思います。
治るに至るまでの経過をまとめるため、発症した日の様子を最後の項目で記載しましたが、現在 症状が辛い方・ひどい方は、最後の【発症の原因は通勤電車の遅延でした】は読まないでください。
目次
発作時の対処法
発作時に口を紙袋などで覆い、酸素を吸う量を減らすという、ペーパーバッグ法は現在推奨されていないようです。
とりあえず、バツグンに効いたのが息を長く吐くこと!これに尽きます。
「吸う:吐く」を「1秒:5秒」ですればよいらしいのですが、発作時にはなかなか難しいので、私は「1秒:2~3秒」の感覚で呼吸しました。
胸がザワザワする予兆が来ても、その段階で目をつぶって息を長めに吐きます。それでなんとか落ち着く症状だったので、その経験が多くなれば次第にザワザワも少なくなりました。
発作が起きなくなっても、しばらくは満員電車に乗らない。とにかく無理をしない、少しでも楽をすることを心がけました。
半年後に新幹線に乗った際に、目的地の中間地点で「駅周辺の火災の影響により停車」という表示が出た時には、さすがに焦りました。久しぶりにザワザワが襲ってきたのですが、目を閉じて「大丈夫、大丈夫」と息を長めに吐くと治まりました。これが、また自信につながり、いまのところ、ザワザワが起きそうになっても発作にまで至っていません。
前兆の不安に対してやってみたあれこれ
実践してよかったこと
- 過呼吸はどうして起こるのか徹底的に調べてみる。まず、敵を知ることからです。私なりにまとめたものが、以下の項目「過呼吸はなぜ起こるのか」になります。
- 通勤は必ず座れる時間に各停で出社。目の前に人が立ってしまうと空間が狭く感じられるため、座席についたら即 目を閉じる。
- ガムを持ち歩く→ 顎を動かすことにより、無駄に呼吸することがなくなるのか少し役に立った気がした。
- 写経をする→ リラックス効果、ありがたいお言葉・ご利益目当て。普段やり慣れないので、写し終えた時には達成感もあり、神様に守っていただけそうな気もした。
- 誰かと一緒にいたらとにかく話す。話すことにより過呼吸の状態になるのを防ぐ。
実践して意味のなかったこと
- 本を持ち歩く→ 本に集中していれば大丈夫かと思ったが、読みながらも意識のどこかで「大丈夫かな」と考えてしまうので意味はなかった。
- 落語や楽しい音楽を集中して聴く→ 本と同じく、途中から発作が起きた。
- 「倒れてもいい、死ぬことはない」と考える→ 理屈ではなく、実際には倒れる前が怖い。
試さなかったものの方法としてのっていたもの
- ゴムバンドを手首に撒き、不安になってきたらパチンパチンとはじく。
過呼吸はなぜ起こるのか
あの胸のザワザワはどうして起こるのか?そこが不明だったので、ネット上で調べました。私的には以下のようにまとめました。
- 自然界における動物として恐怖を感じると(例えばクマに出合った時など)に「戦うか、逃げるか」を準備するため、交感神経が働く。
- 交感神経が働くと、筋肉に酸素を運ぶため、呼吸数増加、心拍数増加、血圧上昇、発汗という変化が起こる=「逃げるか戦うか反応」=「胸のザワザワ」
- 現代では、心理的ストレスが常にかかっている状況があると、戦う・逃げるべき相手がいなくとも「逃げるか戦うか反応」が起きてしまう。
勝手に交感神経が働いているだけなので、副交感神経を働かせるため意図的に呼吸をコントロールしてしまえばいい。という考えに至りました。
現在 症状が辛い方・ひどい方は、以降の【発症の原因は通勤電車の遅延でした】は辛くなるかもしれませんので、読まないでください。
【発症の原因は通勤電車の遅延でした】
通勤に利用していた電車はいつもだだ混みでした。その日は人身事故があった影響で大幅に遅れていましたが、電車自体は遅いながらも順調に動き始めたようでした。
ちょうど急行電車が来ると いつもより 4~5割増しの混雑でした。できる限り車内の中ほどに乗りたかったのですが、門番の位置(ドア横)に乗ることにしました。
会社の最寄り駅まで あと少しで到着という時に、前方の電車の影響で、徐行の末 停車してしまいました。
(せっかく急行に乗れたのに…)
しばらくすると、3月の暖かい日だった車内は暑くなってきました。
その時、窓の前に立っていた紳士が、おもむろに窓を開けました。
(あ〜、助かる〜、おっちゃんナイス〜! おっちゃんの前は座ってる人やから空間があってえぇなぁ~。こっちは、ぎゅうぎゅうや)と思った数秒後、
(あれ?なんか…息しづらいけど?何これ?さ・・・酸素が足りませんけど??)
(あかん、外に出たいっ!! さ・・・酸素ぉ!!)
そう思った瞬間、体が勝手に窓の方に進んでいました。
「この人、具合悪いみたいよ!」そういう声が聞こえますが「そうなんですわ~」と返事もできません。
人を無理からにかき分け 窓のところまで行くと、なんと、座っている人に「す、すみません、ま・・窓・・・空気を吸わ・・くっ、くう・き・・・」と訴えると、親切な方ですぐさま席を譲ってくださいました。
窓は まさかの「上部しか開かない仕様」だったので、子供の様に反対向きに座り、顔に風が当たるところまで立膝をつくという 異様な姿をこの後20分に渡り披露することになりました。
手足がしびれて意識が遠のいていましたが、倒れるまでには至らず駅に到着しました。その頃には落ち着き始めていたため、席を変わっていただいた方にお礼を言ってホームのベンチに倒れ込みました。
それからは、電車に乗る場合は「混んでいない・各停・目の前に人が立たない座席で座れる」という条件がないと乗れなくなりました。会社のミーティングルームも狭くて逃げ出せないので無理。会社のエレベーターも無理。少し調子が悪いと、自宅の寝室でも無理で出て行ったことさえありました。