息子が入学してしばらく経つと、登校前に腹痛を訴えるようになりました。様子を見ていると、どんどん回数が増えていき小児科に相談するまでに・・・。
心因性っぽいので、原因を取り除いてやらねば登校拒否になってしまうかもと、息子に思い当たることはないのかと聞いてみるも「ない」と。しかし、担任の先生が怖いのではないかと思うのです。
小児科医の勧めもあり、臨床心理士に相談し実践してみたところ1か月ほどで症状が治まりましたので、同じように悩んでいらっしゃるお子さん、お母さんに少しでもヒントになればいいなと思います。
目次
腹痛になるまでの経緯
息子は幼稚園時代から、17時までの預かり保育に慣れていたため、小1の入学前であっても学童を嫌がらず楽しんでいました。
穏やかな優しい性格で友達付き合いも良好、小学校にも問題なくなじみ、楽しい学校生活を送っていたのですが、5月あたりから週1のペースで登校時の腹痛を訴え始めました。
5月までは登校してしまえば腹痛は治まっていたのですが、6月、7月と経過するうちに頻度が多くなり、授業中にまで腹痛を訴えるようになりました。
小児科の先生に相談するも「器質的に悪いところはなさそう、心因的のものかも。続くようなら臨床心理士に相談できます」とのことで、様子を見ていましたが、そうこうする間に学童でも腹痛を訴えるようになります。
さすがに、これはまずいと、再度小児科を受診すると、「本人は辛いとは思っていないけれど、学校で何か気になることがあるのだと思う」とのこと。
「小児科の臨床心理士と学校のスクールカウンセラー」に相談するよう指示が出ました。
どちらも1か月待ちのため、その間は気休めにビオフェルミンが処方されました。元気もなくなってきたため、学童に行かせている場合ではないと判断。仕事を辞めました。
こんな形で小1の壁にぶつかるとは思いもよりませんでした。しばらくは、子供の負担を少なくできるように心がけなくては・・・
腹痛の原因ではないかと思われるもの
担任の先生が怖い
時折、息子が「今日、先生がこんなことで怒っていた。廊下に出されてびっくりするくらい大きな声を出す」と言うのです。
怒られたのは息子であったり、お友達だったりですが、理由を聞くと「わからないことがあって聞いただけ」「忘れ物をした」「(ちょっとした)ルールを破った」とか、実にくだらない理由で、MAX怒るようなのです。
おそらく真面目な先生が故に「1年生で締めておかないとナメられる」とでも思っているのでしょうが、子供からすれば、恐怖だけだと思います。息子によると、毎日必ず誰かが大声で叱られるそうです。懇談会の時も先生自らそうおっしゃっていたので本当のことなのでしょう。
また、息子は先生の冷たい一言で「学校に行きたくない」と泣いたこともあります。即先生にお話を聞いて解決しましたが。
しかし、先生のことは「怒ってないときは好き」と言っていたので、「先生が原因」と言ってしまえるかどうか・・・
学童の上級生が怖い
幼稚園であれば、先生がいつも目を光らせていて何か起こった際には対処してくれたのですが、学童での指導員は数が足りておらず、問題が起こってもきっちり対処してくれません。
また、幼稚園児と違い、小学校の中学年ともなると内面も相当成長しているので、叱られても全く心に響かないツワモノもいるようです。
暴力を振るわれたようなことはなかったのですが、言葉遣いが悪い子供が多く「どけ!」「うるせー!」と言われるのが怖いようでした。ちょっと繊細過ぎる気もしますが・・・。
相談
担任に相談
それとなしに、担任の先生に相談してみましたが、「他のお子さんより怒る率は非常に少ない」と、息子はあまり怒られていないとのこと。
「スクールカウンセラーに相談されては?」と・・・・
スクールカウンセラーに相談
スクールカウンセラーが言うには、「担任の先生は他の先生より怒らないタイプ。他の先生が担任じゃなくてよかったですね。」
「子供の腹痛の原因なんて、わからないもんなんです。追及しても無駄ですので、楽しく登校できるようお母さんが工夫したらどうでしょうか」
「普段怒り過ぎなんですよ~笑」・・・とのこと。
いやいや、工夫した上で授業中でも腹痛があるから困ってるんですって!
スクールカウンセラーって、学校側に何か働きかけたりしてくれるものかと期待していたのですが、違うんですね。ただ、話を聞いて家庭でのアドバイスをくれるんですね。
しかも、「自分の子のことを良く言うのも何ですが、息子は叱らなければならないようなことをほとんでしないので、年に1度くらいしか私が怒る場面はありません」と前置きしてるのに「怒り過ぎ」と決めつけられる。
それ、むしろ担任に言って欲しいんですけど!
小児科の臨床心理士に相談【アドバイスいただく】
臨床心理の先生は、45分かけて絵や人形を取り入れて息子と遊びながら学校の様子を聞き出し、性格を把握されたうえで核心につき始めました。
以降、臨床心理の先生と息子のやり取りです。
「幼稚園の先生が怒る時どれくらい怖かったか、画用紙に〇を書いみて。とっても怖い時は大きな〇で、あまり怖くなかったら小さな〇だよ」
→息子は画用紙半分くらいの〇を描きました。
「じゃ、お母さんが怒る時はどれくらいの〇になる?」
→幼稚園の先生と同じ大きさの〇を描きました。
「じゃ、今の担任の先生が怒るとどれくらい?」
→画面にはみ出す勢いの大きな〇を描きました。2倍です。
「へぇ~、すっごい怖いんだね!!」
→コクリっ
「(私の方を見て) もう、原因はわかりましたね。担任の先生とのやりとりや、スクールカウンセラーの話を聞きましたが、どちらも子供の心理を全く解っていませんね。
自分が怒られていなくても、怒っている人を見ると自分が怒られているみたいな気分になって怖がる子供は結構いるんです。感受性が強いんです。
方法としては、先生の怒りを自分一人で受け止めていない と思わせることが必要です。
おうちに帰ってきて先生が怒っていたと教えてくれたら、100のうちどれくらい怒っていたかを聞いてあげてください。
75とか、80怒っていたなら「そう~、それは凄く怒ってたんだね」と聞いてあげてください。
できれば、1000のうちどれくらいだったかまで例えられると更にいいですね。数値化した怒りをお母さんが聞いてくれるとわかったら、実際に怒られている間も「今、850くらい怒っているな、後でお母さんに報告しよう」と、怒りから少し距離を持てるようなります。そうすると早い子であれば1か月くらいで恐怖が薄らいでくると思います。」
臨床心理士のアドバイス通り実践
担任に「怒り過ぎ」を指摘した方がよいのかとも考えましたが、世の中 理不尽な大人はたくさんいます。これから先いつまでも、私がしゃしゃり出て行くわけにもいきません。ある程度は強くなってもらわねばと思いました。
怒りを数値化することが恐怖を少し和らげる作用がある・・・そんなものなのかなぁ。と少し疑いつつ、言うとおりに数値化を始めました。
「今日、先生怒ってた。もう、すっごい怒ってたよ。96くらい!!」
「今日も先生怒った。65くらい。」
先生が酷く怒った時には、子供も「聞いて聞いて」とノリノリで話してきます。
・・・そうか、怖かったことを聞いて欲しかったのかぁ。そんなに怒る人自体を見たことなかったもんね。共有できるというのは確かにいい方法かもしれないと思いました。
実践して初めの1か月は毎朝腹痛を訴えていましたが、ちょうど1か月経つころにピタリと腹痛を訴えなくなりました。
臨床心理の先生の予言通りです。
それ以降3か月経ちますが、腹痛は全くなく 毎朝元気に登校しています。
回復に至った理由
- 臨床心理の先生のアドバイスがよかった
- 同じクラスの忘れ物王(毎日いくつも忘れ物をするらしい)の忘れ物が減ったことにより、担任が怒ること自体が減った
- 私が仕事を辞めたので学童に行かなくてよくなった
このうち、1.が大きいかなと思っていますが、2.もありそうです。3.は退職して学童に行っていなくても 毎日腹痛が1か月間はあったので 朝の腹痛に関してはあまり関係ないかもしれません。
息子の場合は、かかりつけの小児科がたまたま臨床心理の先生の受診ができる医院だったため相談することができました。
スクールカウンセラーも臨床心理士の資格を持っているそうなので、まずは学校のスクールカウンセラーがどんな先生なのか会ってみるのもいいと思われます。